俺は、いつも通り学校帰りに電車に乗ろうとして、 とある駅の改札にいた。 制服を着た人形、スーツを着た人形、私服の人形。 辺りは人形{人間}でごったがえし、 うるさくざわめいている。 あらゆる人形を飲み込んでいく改札。 俺も多くの人形と同じように、改札に飲まれていく。 改札を抜け、階段を上がりホームに出る。 ホームを出たところのすぐそばの電車が止まる印が 付いている場所に立つ。 空は快晴。雨の気配なんてどこにもない。 そんな中、気分がさえないせいか、 視線は自然と下に行く。 すると線路の隙間に俺の視線は当然、 周りの人形の視線も集めるものがいた。 其処にいたのは、 顔の原型をとどめていないボコボコに突かれた片足のないハト。 それを俺らの存在を無視してついばむカラス。 俺はそのカラスがハトの体を突き、 身をはがし食べている姿を睨みつけた。 カラスは気にする気もないのか まったく気にせずに食べている。 するとカラスがふっと顔を上げた。 その瞬間、カラスと眼が合う。 すると声が聞こえた。
「オマエモタベタイノカ。」
それはカラスの眼から語られる言葉。「一緒にすんな。」
と返す。その返答を聞いたのか無視したのかは知らないが、 カラスはまたハトを啄ばみだす。 俺は目を逸らさず、ずっとその光景に眼を向けていた。 カラスは、何がしたいのかわからないが、 ハトをくちばしに銜え、右に引きずったり、左に引きずったり、 ハトの体の羽を無意味に剥ぎ取ったりしている。 するとまたカラスが頭を上げ眼を合わせる。「オマエモアソビタイカ。」
「いっしょにすんな」
眼と眼で語り合う。「オマエモダレカコロシタクハナイカ。」
「イッショニスンナ。」
最後にカラスはオレの眼に一言語りかけオレの横をスレスレで飛び去った。 近くにいた制服を着た人形は慌てて逃げ出した。 その後、電車がホームに入ってきた。 オレは目の前の電車を無視してその場に立ち尽くしていた。 電車の過ぎ去った後には、首がついになくなり、 血とよくわからない物体が出で来て、見ることもできないほど、 惨くなったハトの死骸が残った。 オレの中にカラスの一言が永遠と響く。「・・・・・・・オマエハオレダ・・・・・・。」